ボロブドゥール遺跡とは、インドネシアで最も有名といっても過言ではない遺跡群の1つ。
8世紀から9世紀にかけて、シャイレンドラ王朝よって建てられました。
高さ32メートルにも及ぶこの遺跡は、世界最大規模の大きさを誇ると言われています。
9層の階段はすべて石造りで、石壁には仏教や釈迦をテーマにした宗教的なストーリーが1460面にわたり描かれているのが特徴。
壁面にはトータルで432体もの仏像が並べられ、どれも精巧なつくりで見ごたえ抜群です。
ボロブドゥール遺跡の最上段からはジョグジャカルタの街が一望でき、そこから眺める雄大なインドネシアの壮大さは訪れる人の心を奪う絶景だと言われています。
ボロブドゥール遺跡があるのは、ジャワ島の中部エリアジョグジャカルタ。
ジャワ島はバリ島の隣にあるため、バリ島からボロブドゥール遺跡があるジョグジャカルタまでは飛行機を使えば1時間ほどで辿り着きます。
バリ島からボロブドゥール遺跡へ向かうならば、まずはデンパサール空港からジョグジャカルタのアジスチプト国際空港を目指します。
国内線で安さを重視するなら「AirAsia」、快適さを重視するなら「Garuda Indonesia」を選ぶと間違いないでしょう。
アジスチプト国際空港へ到着後、ボロブドゥール遺跡を目指すにはタクシーとバスの2択がありますが、この場合はタクシーを使うほうが簡単です。
アジスチプト空港のチケットカウンターで、ボロブドゥール遺跡まで(あるいはジョグジャカルタ市内まで)のチケットを購入し、あとはタクシーに乗り込むだけ。
バスを使う場合は「マリオボロ通り」まで行くバスに乗れば、市内の中心部まで行けます。
見た目にもユニークで神秘性に包まれたボロブドゥール遺跡は、あらゆる角度から観光を楽しむことができます。
ここでは、ボロブドゥール遺跡の楽しみ方を5つ紹介します。
これからボロブドゥール遺跡へ訪れる人は、この5つのポイントを意識すれば、ボロブドゥール遺跡観光をより一層楽しめるはずです。
1.レリーフを通して宗教を学ぶ
ボロブドゥール遺跡に訪れた際、最も注目すべきポイントが石壁に描かれたレリーフです。
このレリーフ1つ1つにストーリーがあり、それを見ることでボロブドゥール遺跡やこの仏教寺院の歴史を知れます。
ただこのレリーフのデザインは1460面にわたって描かれているため、すべてを見るのは大変。
そのためボロブドゥール遺跡では、ガイドをつけることをおすすめします。
ガイドをつけることで、自分で絵を見るだけではわからない歴史や宗教を学ぶことができるのです。
それにボロブドゥール遺跡のガイドは日本語が話せる人もいるので、英語やインドネシア語がわからなくても安心でしょう。
このボロブドゥール遺跡では、特に「釈迦誕生図」といわれる大乗仏教にのっとったレリーフが見事で、これを見ながら上段に上っていけば悟りが開けると伝えられています。
美しくて神秘的なボロブドゥール遺跡のレリーフは、ただ眺めるだけでなく宗教について学ぶのにピッタリのスポットだと言えるのです。
2.撮影スポットで記念写真を撮る
ボロブドゥール遺跡には、写真映えする撮影スポットが多数存在します。
最上段まで登るのに必死で写真撮影はついつい忘れそうになりますが、ぜひ旅の思い出を忘れず記念に残してくださいね。
まず見逃してはいけない撮影スポットが、ボロブドゥール遺跡入り口東側の参道。
参道の階段に腰をかけて撮影すれば、背景にボロブドゥール遺跡の全貌がバッチリと映ります。
次に写真撮影をすべきスポットが、遺跡の最上段でしょう。最上段では、ジョグジャカルタの壮大な自然を一望できます。
ストゥーパと呼ばれる仏塔とジョグジャカルタの自然のコラボレーションは、絶対に写真に収めておきたい絶景スポットの1つです。
ぜひボロブドゥール遺跡に訪れるなら、観光も楽しみつつ記念撮影も忘れずにしてほしいと思います。
3.最上段からの絶景に感動する
ボロブドゥール遺跡の最上段からは、ジョグジャカルタの街並みが一望できます。
下段から最上段まで登るのは少々疲れますが、その疲れを乗り越えた後に出会う景色は言葉にできないほどの美しさ。
ぜひストゥーパの横に腰をかけ、ゆっくりとジョグジャカルタの街並みや自然を堪能してください。
またボロブドゥール遺跡ではサンライズツアーやサンセットツアーをおこなっているため、それらのツアーに参加してみるのもおすすめです。
早朝の涼しい時間帯に眺めるサンライズは、気持ちをシャキッとさせてくれる効果が抜群。
夕暮れ時に眺めるサンセットは、ロマンティックで少し儚げな気持ちにさせてくれます。
ぜひボロブドゥール遺跡に訪れたら、遺跡だけではなく絶景にも注目してほしいと思います。
4.博物館で歴史を知る
ボロブドゥール遺跡内にある博物館は、遺跡観光のついでにぜひ寄りたいスポット。
公園東側にある考古博物館には、ボロブドゥール遺跡の発掘作業をした時に出てきた品々が展示されています。
展示室には、発掘作業の様子や復元の際の諸々の資料が飾られ、ボロブドゥール遺跡がどのように発掘され復元に至ったのかを知れるのです。
また考古博物館の近くにはサムドララクサ博物館という別の博物館があり、ここではボロブドゥール遺跡のレリーフをもとに造られた船のモニュメントを見られます。
この船のモニュメントも見応えがあり人気ですので、ぜひ寄ってみてはいかがでしょうか。
5.遺跡公園内のホテルに泊まる
ボロブドゥール遺跡内には「MANOHARA(マノハラ)」というホテルがあり、ここへ宿泊すれば滞在中はいつでもボロブドゥール遺跡へ足を運べるのが嬉しいポイントです。
それこそ早朝のサンライズや夕暮れ時のサンセットなど、絶景があらわれる時間を狙ってボロブドゥール遺跡へ行ける点が魅力でしょう。
マノハラではサンライズツアーのパッケージを提供していますので、時間に余裕があるならぜひ参加してみてください。
マノハラホテルは建物にジャワ建築が採用され、客室以外の空間はほとんどがオープンエアのつくりで開放感があります。
客室は通常のスタンダードルームとコテージの2タイプがあり、どちらも木を基調とした温もりのあるテイストが特徴です。
ボロブドゥール遺跡の目と鼻の先に宿泊したい人は、公園敷地内のマノハラへ宿泊してはいかがでしょうか。
せっかくボロブドゥール遺跡へ訪れるなら、一緒にジョグジャカルタの観光スポットも楽しみたいですよね。
ここではジョグジャカルタのおすすめ観光スポットを5つ紹介します。
どれも観光客からの評判の高い場所ですので、ぜひジョグジャカルタ観光の参考にしてみてください。
ジョグジャカルタの目抜き通りとして有名なマリオボロ通りは、連日多くの観光客と地元民で賑わいます。
ショッピングモールや個人商店の土産屋、レストランやカフェなど一通りのお店が揃っているため観光には困らないでしょう。
またクオリティーの高いホテルもいくつかあるため、マリオボロ通りに宿泊し、そこからボロブドゥール遺跡へ観光に行くのもおすすめです。
マリオボロ通りにはあらゆるお店がありますが、特に訪れて欲しいのがバティック専門店。
バティックとはろうけつ染の布のことで、インドネシアの伝統工芸品です。
ぜひマリオボロ通りへ訪れた際は、このバティックを1枚記念に購入してはいかがでしょうか。
ジョグジャカルタで、ボロブドゥール遺跡に並ぶ有名な遺跡といえばプランバナン寺院遺跡でしょう。
空港から10分の距離にあるプランバナン寺院遺跡は、立地も良く観光客に人気です。
プランバナン寺院遺跡とは、ジャワ島の文化とヒンドゥーの宗教観が融合した遺跡群。
インドネシアでヒンドゥー教といえばバリ島が思い浮かびますが、ジャワ島のプランバナン寺院遺跡でもヒンドゥーの宗教観に触れることは可能です。
ジャワ建築寺院の特徴である尖塔(中央が膨らみ、先端が尖った形)は、ボロブドゥール遺跡のストゥーパとは違った厳かな雰囲気を醸し出します。
外壁にはラーマヤナ神話に出てくるシヴァ神や、あらゆる障害を取り除くといわれるガネーシャ神など、有名な神々の石像やレリーフが飾られているのも見ていて楽しいポイントです。
ぜひボロブドゥール遺跡を観光する際は、一緒にプランバナン寺院も訪れてみて欲しいと思います。
パオン寺院とムンドゥ寺院は、ボロブドゥール遺跡から距離が近いインドネシアの寺院として密かな人気を集めています。
ボロブドゥール遺跡から東に1.5キロメートル進んだところにパオン寺院、そこからまたさらに1.5キロメートル進んだところにムンドゥ寺院があります。
この2つの寺院はボロブドゥール遺跡から3キロメートル圏内にあるため、簡単に立ち寄ることが可能です。
パオン寺院とムンドゥ寺院はボロブドゥール遺跡と同じく8世紀から9世紀にかけて建てられた建物ではありますが、ボロブドゥール遺跡のようなは壮大さはありません。
パオン寺院もムンドゥ寺院も、小さくてこじんまりしているのが特徴です。
ただ近くに寄ってよく見ると、ボロブドゥール遺跡同様に精巧な彫刻が施され、天女や半鳥人などが描かれているのがわかります。
ボロブドゥール遺跡ほど規模が大きくなく、それでいてデザイン性の高いパオン寺院とムンドゥ寺院は、ボロブドゥール遺跡観光のついでに訪れてみる価値のあるスポットだと言えるでしょう。
「水の宮殿」と呼ばれるタマンサリ王宮は、ジョグジャカルタを代表する観光スポットの1つで、ジョグジャカルタ市内の中心に位置します。
タマンサリ王宮には2つの建物があり、1つは王様に仕えた女性たちの水浴びスペースです。
プールのような水浴び場に噴水が立ち上がり、神秘的な空気感を作り上げています。
ここは夜になるとライトアップされ美しいため、ぜひ夜の時間帯にも訪れて欲しいと思います。
そしてもう1つの建物が、王宮を守る要塞です。
要塞にはバティック(インドネシアの伝統布)を作る工房や、舞踊を披露するステージが備え付けられています。
この要塞から延びる運河はクラトンという王宮につながり、このクラトンでは今もジョグジャカルタの王家が生活しています。
「水の宮殿」タマンサリ王宮の美しさに浸った後は、このクラトンへ足を運んで、ジョグジャカルタ王家の生活に触れてみてもいいかもしれませんね。
上で紹介したクラトンのすぐ近くに建てられているのが、インドネシア全土の文化に触れられるソノブドヨ博物館です。
ここではジョグジャカルタやジャワ島だけでなく、バリ島やスマトラ島、カリマンタン島など他の島々の文化や歴史を学べます。
ソノブドヨ博物館へ訪れた際にぜひ観てほしいのが、ワヤンと呼ばれる影絵の芝居です。
ワヤンとはインドネシアの伝統工芸で、水牛の皮を使った「ワヤン・クリッ」と気を使った「ワヤン・ゴレ」の2種類があります。
たとえインドネシアの歴史や文化に詳しくなかったとしても、スクリーンに映し出されたワヤンの影絵がクルクルと動く様は、ユニークで観ていて飽きないはず。
上映されるストーリーは、ラーマヤナ神話がほとんどですので、あらかじめラーマヤナ神話について軽く調べておくと物語の流れがつかめて面白いかもしれませんね。
古都ジョグジャカルタには、インドネシアの雰囲気が満載のおしゃれな飲食店が多数あります。
今から紹介する3つは、ジョグジャカルタにある飲食店のなかでも特に人気のレストラン。
味も雰囲気も抜群ですので、ボロブドゥール遺跡観光の際はぜひ立ち寄ってみてくださいね。
1.アマンジオ
ジョグジャカルタでセレブな体験をしたいなら、アマンジオがおすすめです。
高級ホテルアマングループが運営するアマンジオは、神殿のような神々しい外観をしています。
ボロブドゥール遺跡からは車で20分ほどの距離にあり、天気が良い日にはレストランからボロブドゥール遺跡を眺められるのがポイントです。
銀箔で覆われた天井が豪華な店内では、ガムランの音楽が流れ、リラックスした環境で食事が楽しめます。
メニューはインドネシア料理と西洋料理の2種類があり、近隣の農家から獲れた新鮮な野菜が料理に使われているのが魅力。
また店内だけでなく、棚田が見渡せるバレで食事をすることも可能です。
ジョグジャカルタの緑豊かな自然を眺めながらの食事は、身も心も爽快感に包まれる至極の体験となるでしょう。
ロイヤルアンバルクモは、ジョグジャカルタの歴史が感じられる重厚な雰囲気のホテル。
そのホテルが運営するレストランもまた、ジョグジャカルタらしさがふんだんに詰まっている見所抜群のスポットなのです。
まずロイヤルアンバルクモのレストランが魅力的な点は、「水の離宮」と呼ばれる場所で食事ができるところ。
水の上に佇むレストランでは、地上での食事よりロマンティックなムードを感じられます。
メニューはインドネシア料理のなかでも特にジャワ島料理の種類が豊富で、ジョグジャカルタの地元料理を堪能したい人には絶好だと言えるでしょう。
またレストランには、ロイヤルアンバルクモが王宮として利用されていた頃の骨董品が展示されています。
レストランで食事を楽しんだ後は、これらの骨董品を見ながらジョグジャカルタの歴史を学んでみても面白いかもしれませんね。
ジョグジャカルタで、カジュアルだけれどもおしゃれなレストランに入りたいならササンティレストランがおすすめです。
オープンエアの店内には木でできた家具が並べられ、南国インドネシアらしいリゾート感に触れられます。
ここではインドネシア料理やウェスタンが提供され、どれもボリューミーで食べ応えあるのが特徴です。
高級レストランで出てくるような上品な仕上がりというよりは、カジュアルでガッツリ食べられるお手頃感が魅力でしょう。
デザートやアルコール類も注文できますので、ボロブドゥール遺跡観光で疲れた後は、ササンティレストランでゆっくりと休憩してはいかがでしょうか。
まとめ
インドネシアでもトップレベルに人気の観光スポット、ボロブドゥール遺跡。
巨大な遺跡群と外壁に彫られた精巧なレリーフは、ジョグジャカルタへ訪れるならぜひ見ておきたい建造物だと言えるでしょう。
またボロブドゥール遺跡だけでなく、ジョグジャカルタ自体も趣がありインドネシアらしさを感じるには最高の街です。
ぜひボロブドゥール遺跡を観光したあとは、ジョグジャカルタの市内観光と美味しい食事を楽しんでくださいね。